アイスランドについてのブログ

みたこと、きいたこと、たべたもの

山小屋にいってきた

アイスランドをぐるりとまわる道、1号線。この1号線から内側にぐっと入ると、人の住まない内陸部です。そしてアイスランドを縦断するように走る2本の道キョールルとスプレンギサンドゥルが内陸部を突っ切ります。この内陸部、人が住んでいないだけあって、自然がそのままあるという場所で観光地としても非常に人気の高いところです。ただ道も悪く冬になると雪で観光もできないため、夏の限られた時期にしか行けないという制限があります。夏の真っ盛りには長距離バスも走り、バックパックを背負った旅行者がこのキョールルとスプレンギサンドゥルを進み、途中の山小屋に泊まりながら散策していますが、8月も終わりになってくると道路交通省が道の閉鎖時期を決めお達しをだします。毎年の気候によりその日付は変わりますが、概ね8月後半です。お達しがでると、長距離バスも運行をやめ、山小屋も片付けをして夏まで閉鎖となります。内陸部の自然を楽しむのは次の夏までお預け、という訳です。

 

がしかし。道と山小屋それ自体は冬の間も存在しています。走行が危険であるから閉鎖となるのであって、その走行を危険でなくするような「GPS・無線付きスーパージープ」「熟練ドライバー」「山小屋の鍵を持っている人(またはその知り合い)」がそろえば話は別です。いくらスーパージープと熟練ドライバーがいても、万が一スタックしてしまうこともあるので、この二つは複数必要です。そして今回、それがそろうというウワサを聞いたラッキーな私はとにもかくにも参加したいと元気よく手を挙げ、晴れて参加となりました。

 

今回はアイスランドの内陸を縦断する2本の道のうち、西側にあるキョールルを行き、クヴェーラヴェトリルという場所にある山小屋にいくことになりました。火山活動が活発なところで、天然の温泉もあるところです。おのおの自分の食べるものを用意し、しっかり寒さ対策をして待ち合わせ場所へ。おお、アンテナがびょんびょんとでている大きなスーパージープと手練のドライバー達がワハハガハハと楽しそうに騒いでいます。参加者がそろうと、じゃあ行くぞーと出発。1号線からキョールルに入ると、手練たちは無線ラジオで冗談を言い合いワハハガハハと楽しそう。途中でタイヤの空気圧を調整したり、雪にはまった仲間を助け合いながら夜の内陸部を進んでいきます。

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ちょっと出てみるとものすごい風。地吹雪の雪が顔にあたり顔をあげるのが難しい。そりゃ冬は閉鎖となるな、と納得しました。そんな風もものともせず、ワハハガハハ達ははまった車を引っぱりだすのも楽しそう。キャイキャイいいながらロープをつなげていました。

 

レイキャヴィークを出発して9時間後、クヴェーラヴェトリルの山小屋に到着。ワハハガハハの男性陣は今度はスコップを持ってウェーーイ!と外に飛び出していき、雪がドアを閉ざしてしまったメインの建物を掘り出しに。女性陣は宿泊する建物に入り、ざっと片付け。懐中電灯で照らしながら作業しているとフッと明かりがつきました。ワハハガハハ達がメインの建物に無事入り、電源の元を入れたのでしょう。はやすぎる。。。

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アイスランドの山小屋に行くたびに感動するのが暖房。アイスランドではほとんどの建物に温泉を使った暖房が入っており、冬期閉鎖される山小屋にもそのまま入っていたりします。この小屋も同じで、入ったときにすでに暖かでした。

 

明るい光でみるクヴェーラヴェトリル。うむ、雪だらけ。氷河みたい。

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犬も大よろこび。

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このクヴェーラヴェトリルの小屋には天然の温泉があり、水着を着て入浴も。なかなか熱めのお湯。日本の温泉くらいかな。

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おお、これがワハハガハハ達が掘り出したメインの建物か。ドアのところが階段状に細工されている。

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内側からみたところ。

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雪の中をちょっとドライブに行ってみると同じクヴェーラヴェトリルの山小屋を目指すスノーモービル2人組に。スノーモービルでの移動、大変そうだけど面白いだろうな。

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小屋ではコーヒーを飲みながらおしゃべりをしたり、昼寝をしたり、本を読んだり。私は新田次郎の「冬山の掟」という本を。スキーや冬山登山で遭難する話の短編集で、雰囲気と合って大変楽しめました。

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この後、典型的なアイスランドの山小屋飲み会が開かれ、それはそれはにぎやかでした。この様子は改めて書くことにします。

 

帰り道、下水の大元のパイプを閉めるために雪の中に飛び出したワハハガハハ達。下水ということで大きなトイレに見立てて記念撮影。ワハハガハハ、ヤンヤヤンヤと楽しそうです。

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帰りは7時間でレイキャヴィークに着きました。冬の特別なお楽しみ、アイスランドの内陸部。チャンスがあればまた元気よく手を挙げて参加したいです。

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